中干し始めました
田植えをしてから30~40日、稲の分けつの具合を見ながら中干しを始めます。
中干しとは
田んぼの水をいったん排水し、稲の株あたりの本数を固定(分げつを止める)し、土の中のガスを抜いてやります。
また、田んぼが乾くことで細かなヒビが入り、酸素が入りやすくなることと、稲刈り時に機械が沈んでしまうことを避けるために行います。
当農場では、中干しをするにあたり、乗用タイプの溝きり機を使っています。
大概の田んぼでは入水口、用水路に沿った土手際は水が入り込みやすく、なかなか乾かない事があります。
また、機械が切り返しを行うあぜ周辺や四隅(枕地)は、平らに代かきをしても乾くと土が締まって田面が下がり、中干しの際に水が溜まりやすく、雨が多いと乾きません。
そこで、稲の条に沿って何本か溝を切ってやり、田んぼの水がまんべんなくはけるようにします。
乗用タイプの溝きり機は作業者の体重がかかるので、多少硬めの田んぼでもしっかりとした溝が切れますし、何よりエンジンがついた車輪で進むので、作業が早い事が特徴です。
ただ、1条切り終わった後の移動はぬかるみの中で機械を持ち上げなければならないので、地味に重労働です。。。
溝は多い方が排水が有利ですが、その分手間もかかりますので、田んぼの水たまりの具合を見ながら多くしたり少なくしたり対応します。
溝を切っていく中で、田んぼの枕地も何周分か必ず切ります。
枕地こそしっかり乾かすことは、機械の負担を軽くし、作業性(ぬかるんでいますと速く刈れなかったり、倒伏してしまうと刈取時に泥を噛んで詰まってしまうなど)をよくする事になります。
ですので、あぜ際からの浸水、そしてその溝がつぶれてしまったときの予備の溝、枕地の内側と3本は必ず切るようにします。
一時期作業が忙しく、溝きりを省いたときにはそれはそれは後悔の連続でした汗
田んぼの高いところは乾きが速く、低いところは乾かず。用水路が水不足気味のときには、水が行き渡らずに稲刈りを迎えることになりました。
すると今度は乾かないところでは機械は沈んで泥だらけ、そして実りがしっかりしている稲は倒れやすいので、穂に泥がついて機械の中が汚れてしまう。こんな悲劇が待っています。
泥は金属を摩耗させるので、機械部品の消耗もすすめてしまいます。
そうなると部品交換の費用がかかってしまい、それをお客様に負担させてしまうことにつながってしまいます。
このような苦ーい経験で、一時の手間をかけてでも、しっかり田んぼを干してやり、スムーズでスピーディーな作業を心がけることが大切ですね。
溝きり作業が一番どろんこになるそんな、農業らしい作業です笑。